「懐食みちば」の料理長を務める森川保氏と、道場六三郎氏の実娘の次女にあたる道場照子さん。中核を担うお二人に「懐食みちば」お店のスタイルについて、また道場六三郎氏とルーシー・リーの共通点についてお話を伺いました。


森川保氏(以下 森川):「懐食みちば」の料理長をしております、森川保と申します。
15年前におやじさんの人柄、料理に惚れ込み、お世話になっております。
おやじさんの料理に対する姿勢は厳しく、妥協をしません。常に最高の料理、最高のサービスをお客様に提供する姿が印象的です。それに近づくように、それを超えるようになりたいと思っています。

道場照子さん(以下 道場):道場六三郎の次女 道場照子です。 3年前から懐食みちばの女将として働き始めた、新米女将です。 父のおもてなしのスタイルは、召し上がっていただく方の満足のいくものを提供することを最優先に考えております。 「懐食みちば」の「懐」は「ふところ」。母親の懐の暖かさや、ふるさとにかえって来たようなぬくもりみたいなものを感じていただけるようにということで、お客様一人一人が求めているお料理を提供していくことがお店のスタイルです。「料理の鉄人」では、その時その時の食材で召し上がっていただく方の年齢や職業、好みを考えながらお料理を作っていった結果、心がこもっていたことがより伝わって評価をいただけたのだと思います。

森川:実際に毎日おもてなしする中で、お客様のその日その日の気分や体調、一人一人が食べられる量も違ってきます。お客様は気楽にわがままが言えて、気ままが言える、そういう店作り料理作りを目指しています。




森川:和の食材だけにとらわれず、どんな食材であろうと道場和食にしてしまう。既成概念にとらわれず、いろいろなものを自在に使っています。
食材の使い方もそうですし、豪快さ、ダイナミックさ、それでいて味は繊細。ダイナミックさは、お店の作りを見ていただければ一目瞭然、オープンキッチンになっておりますので、まるでキッチンスタジアムのように目の前ですぐにお料理してお出し出来ることが特徴ですね。

道場:お客様一人一人の情報をキッチンスタッフに正確に伝えて、その上で食材や量、調理法を選んでいますので、コース料理がメインですが、お客様に合わせた対応が出来ます。 作ったものを押し付けるのではなく、お客様が求められているものを一品一品、お客様の体調を考えながらお客様本意のものをご提供します。 一番大切なことは「気ままの聞いてくれるお店」であるということ。 その考えが和食プリフィックスという新しいサービスを生んだのだと思います。



道場:普通の和食との違いは、道場六三郎は自由な発送で作った料理が基盤になっておりますので、日本料理の懐石のようなお料理とはだいぶ違います。 食欲をそそる見た目の色合い、味だけでなく、においだけでなく、目で見ても食欲をそそるような盛りつけ、色彩があります。 洋のものも取り入れて、和とうまく調和させるところは懐食みちばならではなのではないでしょうか。 基本的には和食のコースですが、時々和を飛び越えて順序も関係無しに飛び越えていくけど、最終的にはもとに戻って落ち着きますね。 例えば、トマトの串焼きとか、フカヒレ茶碗蒸し、焼きカルパッチョ、ローストビーフ丼も普通とちょっと調理法が違いますので特徴的です。

森川:毎月献立が新しくなる時は良く言うとわくわく感。今月はどんな食材を使うのか、その上でこんな料理を作ってみよう、こんな料理を見てもらおう、もしかしたらこんな食材をおやじさんも使ってくれるかもしれない、この食材がどんな風に化けるのかななど、ドキドキする気持ちです。

道場:お客様を好きになって初めて出来るサービスがあると思います。
自分自身でお客様がいらっしゃると嬉しいと思える気持ちが、お客様にも伝わってこのお店を好きになっていただけるのかなと。
何か決まったサービスがあるのではなく、いろんなお客様それぞれに合わせて、満足していただけるサービスを心がけています。
プリフィックスのコースでは、お客様のお腹具合に合わせてお料理をお出ししていますが、逆に「道場らしい料理」が食べたいとおっしゃるお客様には、こちらのおすすめのものをばんばんお出ししております。12000円のコースでも、内容に合わせてお値段を引いたりして調整していますね。そういう懐の暖かさがあるお店が懐食みちばだと思います。

既成概念にとらわれず、美しいもの、本物をこだわってお店のトータルの雰囲気を味わっていただけたら。
お花にしても本当にいいものを厳選してすべて生花を使用して造化は飾りません。
盆栽も銀座ではうちのお店が初めてレンタルをさせていただきました。本当は日本庭園のある場所でいただく和食が一番美味しいのですが、銀座のビルの中ということで少しでもそれに近づけた環境の中でお食事をしていただけたらと思い盆栽を季節に応じて飾らせていただいております。
今年で10周年になりますが、10年かけて道場らしいお店になってきた感じがあります。
数年前までは、道場六三郎という名前だけでいらっしゃったお客さまをこなしてたという感じだったのですが、今は本当にお客さまのニーズに合ったゆとりあるサービスが出来るようになってきたように思います。

道場:ルーシー・リーの作品が飾られるようになって2年ほど経ちますが、私自身、ルーシー・リーの器のフォルムにすごく触発されました。 女流の作家さんなので、繊細さ、暖かみのある中の緊張感の美しさを見ているだけで癒されますし、盆栽の形の美しさとの相乗効果は、ため息が出るほどです。
ルーシー・リーをご存知の方はそんなに多くないのですが、普通美術館などではガラスのケースに入れられて展示されていますが、間近でケースに入れられてない状態で作品を見れるということで、作品本来の良さはすごく伝わるのではないかとおもいます。
作品近くのお席は人気があり、作品が変わったらすぐに連絡くださいというリピーターのお客様もたくさんいらっしゃいますので、ルーシー・リーのファンの方には穴場だと思います。
伝統や、格式や既成概念といったものを超越して本当に自由な発想で、お料理もサービスも、お店の雰囲気もトータルで考えておりますので、そういう部分はルーシー・リーの器とも共通する部分であり、新しいスタイルを打ち出したというところとすごく合っていますので、みなさまにもそんな雰囲気を味わっていただけたらと思っております。

※敬称は省略させて頂いております。

プロフィール

「懐食みちば」料理長 森川保
15年前に道場六三郎氏に師事。
同氏のもと、「懐食みちば」の料理長を務める。



「懐食みちば」女将 道場照子
道場六三郎氏の実娘の次女
三年ほど前より、「懐食みちば」の女将を務める。



「懐食みちば」
〒104-0061
東京都中央区銀座6-9-9かねまつビル8F
TEL:03-5537-6300
http://www.michiba.com/


懐食みちば ルーシー・リー展

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